リモートワークのコミュニケーション不足

出社停止命令が出て、いきなり自宅でリモートワークを経験した、という方がわりといらっしゃるかもしれません。

リモートワークはメリットもデメリットも大きく、従来の働き方からいきなり切り替えるのは難しいところがあります。

その一つが コミュニケーションが取りにくい ということですね。


リモートワークでは喫煙者同士でタバコ部屋でおしゃべりする、のような「近くにいることで生まれるコミュニケーション」は期待できません。
いない人とコミュニケーション取ることはできませんからね。

そして、リアルなコミュニケーションに変わるものが、ビデオチャットやテキストチャットですが、ビデオチャットを繋ぎっぱなしにすると回線がパンパンになるので、メインの交流場はテキストチャットに落ち着く、が多いかなと思います。

しかし、 会話で済んでいたものが、文字入力に置き換わることのストレス はかなり大きいですよね。

まず、文字を打つことは面倒くさい。

そして、下手な文章を読むことはもっと面倒くさい。

そいういう面倒くささはどうしてもあるため、放っておくとテキストチャットは静かになってしまいやすいのですが、数少ないコミュニケーションの場が静かだと発言しにくさが助長されたり、「プロジェクト進行してる感」が感じられなかったりと、なかなか辛いです。

「分報」で発言の場を用意する

テキストチャットをうまく活用する一つの方法が、 Slack ユーザにじわじわ認知されている 分報 (ふんほう) ではないかと思います。

私は、 分報 を活用しているプロジェクトに参加して 2 年が経過していて、うまく組み込めばリモートワークのコミュニケーション不足を解消するかもしれないな、と改めて感じました。


分報 でよく紹介される記事がこちらです。

クラフトマンソフトウェア
Slackで簡単に「日報」ならぬ「分報」をチームで実現する3ステップ〜Problemが10分で解決するチャットを作ろう
http://c16e.com/1511101558/

上記の記事をおさらいします。

まず、日報は、

  • 1日 1回 の日報では遅く、時間ロスが大きい
  • 解決済みの課題が表面化しにくい

という弱点があります。

それを補うために、

  • Slack を利用し
  • メンバー 一人一人にチャット部屋を作り
  • 自由発言の場として使ってもらう

ようにします。

この各自に割り当てたチャット部屋が 分報 です。

なぜ Slack

分報 は、前提として Slack を利用しますが、それは、 Slack が「チャット部屋を作りやすい」ためです。


チャットツールは、まずアカウントを作り、そのアカウントにチャット部屋を紐づける、というものが多いですね。

「アカウントが基準」の場合、部屋を作った人がメンバーを決めるのですが、

  • メンバー以外には「その部屋」があることすらわからない
  • 新人さんがくると都度メンバー追加が発生してコストが高い

のですよね。


Slack は、まずワークスペースという大きな箱を作り、ワークスペースにメンバーを招集する、という点が大きく異なります。

メンバーは「基本、すべてのチャット部屋 (チャンネル) が見え」ます。

一度ワークスペースに Join すればよく、「どのチャット部屋にどのメンバー」のようなことを意識することはほぼありませんから、 分報 のようにたくさんのチャット部屋 (チャンネル) を追加する、ということがやりやすいのです。

なぜ個人のチャット部屋を作るか

個人のチャット部屋を作る理由は 2 点あり、

  • 情報が錯綜しないようにするため
    同時に複数の話題が展開すると「どれに対する返答か」を追うのが大変になる

  • 所有感を出すため
    共有部屋だと他メンバーに遠慮が出て発言しにくくなる

です。

このあたりは良く考えられていると感じます。

分報 を活用するために

分報 は、日報とはスタンスが全く異なるものです、 日報の延長で「マネージャーだけが読むもの」でスタートしてしまうと、メリットが活かせない と感じます。

何でも、自由に、雑談も許容

日報は「上司に報告するもの」という意味が強くなってしまいますが、 分報 はずっとカジュアルで、 Twitter 感覚で発言する、くらいの気持ちの方が良いです。

「報告しよう」とすると「報告しても良いもの」だけが書かれる、みたいになりやすいです。

しかしこれでは、本当にキャッチアップしたいこと(詰まっていること、困っていること)が書かれないのですね。

このようにメンバー各自が「何を報告するか」というフィルターを働かせるよりは、「何でも自由に発言して OK 」というスタンスで動いてもらうのが良いです。

「何でも自由に発言して OK 」のため、「腰痛い」や「お腹へった」みたいな発言も許容するし、メンバー間の雑談も許容します。

これがうまくいくと、確実にノイズは増えますが、有意義な情報も出てくるし、メンバー間の関わりが勝手に増えてくるのです。

そのため、各自が「そういう発言も OK 」と実感してもらうことがスタートだったりします。 「心理的安全性」とかいうやつですね。


時には雑談が止まらないこともありますが、

それでも OK

雑談も、チーム全体を盛り上げるためのもので必要なコストだよね

という意識を管理者が持っていないと尻すぼみになりやすいです。

上から管理しようとすると機能しなくなるところであるため、企業風土があれだと馴染まないところですね。

読んでもいい、読まなくてもいい

分報 を導入すると、メンバー数だけチャット部屋が増えます。

後からチームにジョインした人は チャット部屋が多いことにまず驚く というのがあります。


メンバーによっては「チャットを全部見なくては !」という義務感を感じる方もいるのですが、そのあたりも自由に、個人の裁量でやるべきたと思っています。

しかし、困っていることをつぶやくことで、スピーディーな問題解決につながることは少なくなく、チャットを巡回することがチーム全体への貢献になる面もあるんですよね。

実際 Google で調べて時間をつぶすよりも、社内の有識者がスッと回答を示すほうが圧倒的に早く、そういったやり取りを傍で見ている ROM メンバーにも知見が溜まっていく、という作用もあります。

あまりにもチャットに夢中になって、作業が進捗 0 なのは良くないのですが、そういうことにはならないので不思議です。


集中してコーディングしたいときや、自分の作業が詰まてチャットをみている余裕がないとき、はありますので、変に「読め」「読むな」というよりは 「 チームメンバーに関わりたいというナチュラルな気持ち 」にまかせるのが良いと思っています。

みんなで助け合うチームを構築できるかも

昔、日報にとても困っていることを書いて提出したのに、上司から返事がない、読んですらいない、みたいなことで憤っいた同僚の姿を思い出しました。

他の仕事をたくさん抱えている中で、マネージャー層だけがメンバーの気持ちを受け止める、というのはキャパ超えになりやすいですよね。

それよりも 分報 で相互のコミュニケーションを活発化させたほうが良い、という気がします。


プロジェクトにはメンバーがいても、仕事部屋ではいつも一人

ということでリモートワークは孤独との戦いでもあり、孤独に耐えられない人には向かないかな、と思っていたのですが、 分報 が活用されれば、だいぶ緩和されるだろうな、という気がします。

顔が見られる機会は、別途あったほうがいいですけどね。